仙人池
「仙人池」については、地名碑に「池畔に立って見渡せば桃花流水嫣然として去り、御所の森を成す。さながら仙境のごとし。」と、その由来が刻まれています。
仙人池の由来の「桃花流水宛然として去り」から、水源の背後には桃花源記に書かれた桃源郷の存在を暗示させ、また、御所沼で隔絶された御所の森が翆にかすむさまを深山に見立てるなど、文人たちが憧れた仙境を夢想する世界を想像させます。
ところで、仙人池は、こぶし野に面してつくられた小さな池で、御所沼から汲み上げられた水は北側の小高い「やまぶき山」の池に汲み上げられて、その池を水源として「ほろほろ滝」となって仙人池に流れ込みます。そして、仙人池の水は遺水のように景色をつくる「ザラメキ川」を流れ御所沼に戻ります。この水の循環は、御所沼に酸素を供給するエアーレイション装置でもあり、その水の循環が水音と共に風景に静けさと動きをつくり出しています。
仙人池では、カワセミが時にはダイビングして獲物を捕らえます。また、夏には多くのトンボが舞い、ギンヤンマやウチワヤンマが水面を滑空する様を見かけます。
子供たちは、仙人池から流れ出るザラメキ川に木の葉を小舟に見立てて遊んでいる様子をよく見かけます。