春の花桃、夏の古代ハス 季節の花々が彩り添える自然と歴史豊かな公園

春草席

春草席

「春草席」については、地名碑の裏面に、「少年易老学成難 一寸光陰不可軽 未覚池塘春草夢 階前梧桐巳秋声」と朱憙の七言絶句・偶成が刻まれています。詩の前半は、若者に刻苦勉励をすすめ、後半は、青春の夢を見果てぬ白髪の老人の心境を描いています。
この春草席は、御所沼南池の東岸に作られた橋のような休憩所と屋外展望デッキからなる斬新なデザインのフォーリーのことで、偶成の転句「未覚池塘春草夢」の「春草」から名付けたものです。また、モダンデザインと中国南宋の思想家・朱憙の漢詩と言う意外な取り合わせは、新たな意味世界をこの場所に生み出しています。
そして、結句「階前梧桐巳秋声」に呼応すべく、この春草席の傍らに桐を植えました。ただ、梧桐即ち青桐ではなく、白桐を植えたのです。古河一高校歌に「桃は咲き穂は伸び、桐の花薄紫に」と詠われていますが、古河はかつて桐下駄の産地で、桐畑が多く見られたこともあり、薄紫の花をつける白桐を植えたのです。
ところで、もうずいぶん前のことであるが爽やかな五月晴れの昼下がり、春草席の碑の傍らで青年が寝そべって真剣に読書する姿を目撃しました。それはまさに偶成の世界でした。水鶏坂を上がりながら、老境の身を思い、切ないような感傷にかられたことを鮮明に記憶しています。

 

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