かわうそ橋
「かわうそ橋」については、その地名碑に「川獺・絶滅したイタチ科の哺乳類。ときに人を騙すことが愛嬌あり。悲運の小獣を悼みその名称えれば水草の茂み微かに波立つ」とその由来が刻まれています。
ところで、かわうそ橋は新久田道の中ほどにあり、獺島に渡る橋で、特に、春、桜咲くころは、獺島は知る人ぞ知る桜の名所であります。
獺は古河にも生息していたものと思われます。それは、今は「けやき平」と言う住宅地になっているが、大正から昭和初期にかけて干拓されて消滅した沼を獺沼と呼んで、獺とか獺原などの小字名があることから獺が生息していたと言えます。さらに、御所沼でも獺沼と水路を通して繋がっていることから、その愛嬌ある姿を見ることができたと思っています。
いつごろまで生息していたかと言えば、昭和の初期には全国的に激減していることからして、恐らく、干拓にする獺沼の消滅に合わせて姿を消したものと思われる。愛嬌があり人を化かすと言われる獺は、河童伝説の原型とも言われており、かつては人間には身近な存在であった。地名碑の由来ではないが、水草が繁茂する豊かな沼となった御所沼に獺が愛嬌ある姿を時には見せてくれることを夢想するのである。