牧野地道
「牧野地道」については、地名碑に「旧牧野地村に向かう小径なり、香取神社、鬱蒼として、桃下麦青の果てに浮く。」とその由来が刻まれています。
この牧野地道は、公園の牧野地口に通じる園路で、大賀ハスなどの湿性植物園を一望し、芝生広場の屋外ステージの背後を通り、神明道や正面入り口に通じる公園のメインストリートの御所沼道とつながっています。そのルートは、牧野地村と鴻巣村を結ぶ昔からの道をなぞるようにつくられています。
牧野地は、鷹見泉石の牧野地村絵図によると、村の周囲は御所沼や古河城の外濠などの沼に囲まれた景勝地で、集落の周りに桃花麦青の畑地が広がり、古河公方ゆかりの松月院や御所塚、鳳桐寺の他、香取社や神明社が配されていました。
現在は、松月院の小高い丘は渡良瀬川改修工事の土取り場となり消滅し、神明社は香取神社に合祀され国道が分断し香取神社の鬱蒼とした社は失われたが、御所塚や鳳桐寺は昔ながらの落ち着いた佇まいを見せています。
牧野地は、古代から多くの歴史が刻まれた土地で平成22年には、御所沼に面した川戸台から東日本で最大級と言われる古代の製鉄所跡が発見されるなど、その歴史重要度は益々大きくなっています。