鴻巣の一本大榎
鴻巣の一本大榎については、地名碑に「鴻巣村の遺風を伝える大榎、御所の森に亭々と枝を張る。その後、恬淡として哲人に似たり」とその由来が刻まれています。この大榎の樹齢は定かではない。幕末までには、ここに十念寺があり、熊野権現も祀られていたと、鷹見泉石による鴻巣村絵図に書かれています。そんな土地の返還を見守ってきた鴻巣の一本榎、この榎が「榎の僧正」のように切り倒されず、今、恬淡として哲人に似たり」を祝したいと思います。
榎は、一里塚に多く使われてきた樹木であり、根張の美しさも見事で、巨樹化することで、多くの神社で御神木としても祀られています。
鴻巣の一本榎は、幹回り3.45m、葉張32m、樹高約19m、枝は高さ3m付近で八方に分かれ、みな幹のように太く、開けた場所であれば、コマーシャルで有名なモンキーポッドのように一本の木で森を作れる樹種です。
もう十数年前であるが、S氏が、この機を眺めて「ツリーハウスを作りたい」と呟いた。即座に頷いた。あの太く伸びた枝の上にツリーハウスがあったらと想像する。トムソーヤになった少年は夢心地あろう。