茱萸坂
「茱萸坂」については、その地名碑に「坂下に、ナワシログミ、アキグミ、群生す。野趣掬うべし、以て名づく。」と其の由来が刻まれています。
茱萸坂は、新久田道沿いに、茱萸の群生地があり、其の群生地に沿ってホッツケ田に降りる坂道である。坂上から眺めると、ホッツケ田の先に御所沼が広がり、ゆたかな里山の景色を楽しむことができます。
ナワシログミはホッツケ田でどろんこクラブが田植えをする頃に俵型のルビー状の透きとおった赤い実がたわわに実ります。ナワシログミの語源はまさに田植えの頃にみのる茱萸と言う意味です。また、アキグミは名の通り秋の10月から11月頃、丸い小さな赤い実をつけます。ちなみに、茱萸の仲間は、根に共生菌類を持ち、空中窒素を固定し、荒れ地でも生育できます。茱萸は鳥が好んで食べるので、思わぬところに茱萸の木が生えることがあり、少し離れた通称ガラパゴス島にも鳥に運ばれた種が発芽した大きな茱萸の木が繁茂しています。生命力の強い樹木と言えます。
ナワシログミを食レポすれば、口に含むとほの甘く渋みが勝って口がおちょぼ口になります。数年前であったが、高齢のご夫婦がナワシログミを一つ摘んで「渋いですね」と笑みを浮かべ懐かしそうに味わっていました。